リフォーム減税|固定資産税の減額と所得税の控除、補助金との併用
| 所得税 最大控除額(耐震) | 62.5万円 |
|---|---|
| 固定資産税(耐震) | 1/2 |
| 固定資産税(バリアフリー・省エネ) | 1/3 |
| 市区町村への申告 | 3か月以内 |
| 分類 | 住まい・家庭の補助金 |
| 所管 | 国交省・国税庁・厚労省 |
| 最終確認日 | 2026/10/14 |
| 出典 | 15本 |
この記事の要約
耐震・バリアフリー・省エネのリフォームで、翌年度の固定資産税が1/2・1/3減り、所得税の控除も受けられます。期限、工事完了から3か月以内の申告、補助金や介護保険を受けたときの差し引き方を国の資料で整理。
本文
窓の断熱や手すりの取付け、耐震補強などのリフォームをした後に、税金が軽くなる制度があります。国土交通省が「リフォーム促進税制」と呼んでいるもので、翌年度の固定資産税の減額(市区町村へ申告)と、所得税の控除(税務署へ確定申告)の2本立てです。住宅ローンを使っていなくても対象になり、国土交通省は国や地方公共団体の補助金との併用も可能としています。ただし、どちらの減税も、補助金を受けた分を差し引いて要件や控除額を計算します(所得税は標準的な工事費用相当額から、固定資産税は実際にかかった費用から差し引きます)。この記事では、耐震・バリアフリー・省エネの3つの工事について、2026年10月14日に国土交通省・国税庁の公式ページと資料、e-Gov法令検索の地方税法・同施行令で確認した内容を整理します。
OVERVIEW012つの減税の全体像
| 固定資産税の減額 | 工事完了の翌年度分の固定資産税が減ります。耐震は1/2、バリアフリーと省エネは1/3。耐震改修または省エネ改修を行い、増改築による長期優良住宅の認定を取得した場合は2/3。申告先は市区町村 |
|---|---|
| 所得税の控除 | バリアフリー・省エネは工事後に住み始めた年、耐震は耐震改修をした年の所得税から差し引きます。最大控除額は耐震62.5万円、バリアフリー60万円、省エネ62.5万円(太陽光発電設備を設置する場合67.5万円)。申告先は税務署(確定申告) |
| ローンの有無 | どちらも住宅ローンを使っていなくても対象です |
| 補助金との関係 | 併用できます。ただし補助金の額を差し引いた費用で、金額の要件や控除額を計算します(5章) |
| 工事の種類 | 耐震・バリアフリー・省エネのほか、長期優良住宅化、三世代同居対応、子育て対応があります。三世代同居対応と子育て対応は所得税だけの制度です |
令和8年度の税制改正で、どちらも期限が延びました。国土交通省の「令和8年度税制改正概要」によると、所得税は3年間(令和8年1月1日〜令和10年12月31日)、固定資産税は5年間(令和8年4月1日〜令和13年3月31日)の延長です。具体的には、所得税の控除は、バリアフリー・省エネは令和10年12月31日までに住み始めた場合、耐震は令和10年12月31日までに耐震改修をした場合が対象です(2026年10月14日に国税庁タックスアンサーで確認)。固定資産税の減額は令和13年3月31日まで(2026年10月14日に国土交通省の資料で確認)に工事を行った場合が対象です。あわせて、床面積要件の下限が40平方メートル(従来は50平方メートル)に緩和されました。固定資産税のバリアフリー改修・省エネ改修では、床面積の範囲が40平方メートル以上240平方メートル以下になっています(従来は50平方メートル以上280平方メートル以下)。所得税で床面積が40平方メートル以上50平方メートル未満の場合は、合計所得金額が1,000万円以下であることが必要です。
PROPERTY TAX02固定資産税の減額──工事の種類ごとの要件
固定資産税の減額は、工事が終わった年の翌年1月1日を賦課期日とする年度の1年度分だけです(耐震で一定の沿道の建物は2年度分)。家屋の古さ、金額、床面積の要件が工事の種類ごとに違います。国土交通省の資料(工事完了日が令和8年4月1日以降のもの)から要点をまとめると次のとおりです。
| 耐震改修 | 昭和57年1月1日以前から所在する家屋を、現行の耐震基準に適合させる工事。耐震改修の工事費が50万円(税込)を超えること。翌年度分の固定資産税が1/2に。工事前に「通行障害既存耐震不適格建築物」だった住宅は2年度分が1/2に。店舗等併用家屋の場合は、床面積の2分の1以上が居住用であること。 |
|---|---|
| バリアフリー改修 | 新築から10年以上たった家屋で、65歳以上の人(工事完了の翌年1月1日時点)、要介護・要支援の認定を受けている人、障がいのある人のいずれかが住んでいること。賃貸住宅でないこと。工事費から補助金等を差し引いた額が50万円(税込)を超えること。改修後の床面積が40平方メートル以上240平方メートル以下。翌年度分の固定資産税から1/3を減額。店舗等併用家屋の場合は、床面積の2分の1以上が居住用であること。 |
| 省エネ改修 | 平成26年4月1日以前から所在する家屋で、窓の断熱改修を含み、改修した部位がいずれも平成28年基準を新たに満たすこと。賃貸住宅でないこと。工事費から補助金等を差し引いた額が60万円(税込)を超えること。床面積が40平方メートル以上240平方メートル以下。翌年度分の固定資産税から1/3を減額。店舗等併用家屋の場合は、床面積の2分の1以上が居住用であること。 |
| 長期優良住宅化改修 | 耐震改修または省エネ改修を行い、増改築による長期優良住宅の認定を取得した場合。翌年度分の固定資産税から2/3を減額 |
バリアフリー改修の対象工事は、通路や出入口の幅の拡張、階段の勾配の緩和、浴室・便所の改良、手すりの取付け、床の段差の解消、引戸への取替えなど出入口の戸の改良、滑りにくい床材への取替えです。国土交通省の資料では、取付けに工事を伴わない手すりや、工事を伴わない段差解消板・スロープの設置は含まれないとしています(ネジ等で取り付ける簡易な手すりは工事を伴うものとして含まれます)。
省エネ改修は窓の断熱改修が必須です。ガラスの交換、内窓の新設・交換、サッシとガラスの交換のいずれかを行い、そのうえで床・壁・天井の断熱や、高効率空調機・高効率給湯器・太陽熱利用システム・太陽光発電設備の設置を組み合わせられます。設備の設置を含める場合は、窓や床・壁・天井の断熱改修にかかった額が50万円(税込)を超え、かつ省エネ改修全体で60万円(税込)を超えることが必要です。家じゅうの窓を替える必要はなく、1階だけなど一部の窓でも対象になり得ると国土交通省のよくある質問は説明しています。窓の補助金については先進的窓リノベ2026事業の記事で整理しています。
減額の計算には床面積の上限があります。地方税法施行令附則第12条により、減額の対象になる居住部分の床面積は、耐震改修と省エネ改修が120平方メートル、バリアフリー改修が100平方メートルまでです。これを超える広さの住宅では、家全体の税額の1/3(耐震は1/2)がそのまま減るのではなく、上限の面積に当たる分だけが減額の計算に入ります。
同じ家で何度も使えるわけではありません。地方税法附則第15条の9は、バリアフリー改修と省エネ改修の減額について、すでにその減額を受けたことがある住宅を除くと定めています。また、耐震改修の減額が適用される場合は、バリアフリー改修と省エネ改修の減額は適用しないという書き方になっています。一方、バリアフリー改修と省エネ改修は、省エネの減額をバリアフリーの減額を適用する前の税額で計算する規定があり、重なる場合を前提にしています。同じ年に複数の工事をする場合の具体的な扱いは、お住まいの市区町村の固定資産税の担当課で確認してください。
FILING03市区町村への申告──期限は工事完了から3か月
- 期限:工事が終わった日から3か月以内に、家屋のある市区町村へ固定資産税の減額の申告書を出します。期限を過ぎても、市町村長が「やむを得ない理由」があると認めれば適用できる規定があります(地方税法附則第15条の9第3項・第7項・第12項)。
- 主な書類:固定資産税減額申告書、増改築等工事証明書(耐震改修は、地方公共団体の長が発行する住宅耐震改修証明書や住宅性能評価書でも可)、工事完了後の家屋の登記事項証明書、補助金等を受けた場合はその額が分かる書類。工事の費用が確認できる書類(耐震改修は工事請負契約書の写しも)。長期優良住宅化は長期優良住宅認定通知書の写し。
- バリアフリー改修の追加書類:介護保険の被保険者証の写しなど、対象者に当たることを示す書類。
- 証明書の発行者:増改築等工事証明書は、登録された建築士事務所に属する建築士、指定確認検査機関、登録住宅性能評価機関、住宅瑕疵担保責任保険法人のいずれかが発行します。
- 様式は自治体ごと:国土交通省の資料は、必要書類の内容は自治体によって異なる場合があるとしています。申告書の様式もお住まいの市区町村のホームページなどで確認してください。
バリアフリー改修で「高齢者等が住んでいるか」を判定するのは、申告書を出した時点の状況です(地方税法附則第15条の9第8項)。国土交通省のよくある質問も、工事の前から同居している必要はなく、工事の後に対象者が引っ越してくる場合も対象になると説明しています。
INCOME TAX04所得税の控除──確定申告で受ける
所得税の控除は、バリアフリー・省エネは工事をして住み始めた年分、耐震は耐震改修をした年分の確定申告で受けます(国税庁タックスアンサー No.1219・1220・1222、令和8年4月1日現在法令等)。控除額は次の式で計算し、100円未満は切り捨てます。
| 計算式 | 控除額=A×10%+B×5% |
|---|---|
| A | その工事の標準的な費用の額から補助金等の額を差し引いた額。上限(控除対象限度額)は耐震250万円、バリアフリー200万円、省エネ250万円(太陽光発電設備を含む場合350万円) |
| B | Aの上限を超えた部分と、あわせて行った増築・改築などの費用(補助金等を差し引いた額)の合計。ただし標準的な費用の額が上限で、1,000万円からAを引いた額まで |
| 対象期間 | バリアフリー・省エネ:令和10年12月31日までに住み始めた場合。耐震:令和10年12月31日までに耐震改修をした場合(2026年10月14日に国税庁タックスアンサーで確認) |
注意したいのは、控除の計算に使うのが実際の工事代金ではなく「標準的な費用の額」だという点です。工事の種類ごとに国が定めた単価に、工事をした床面積などを掛けて計算し、増改築等工事証明書で確認できます。国土交通省のよくある質問は、実際の工事費用が要件を満たしていても、標準的な工事費用相当額の合計が要件を満たさないときは減税を受けられないとしています。また、控除されるのはその年に自分が納めた所得税の範囲までで、納めた税額以上は戻りません。
- 共通の要件(バリアフリー・省エネ):自分が所有し住んでいる家屋であること。工事の日から6か月以内に住み始めること。工事後の床面積が50平方メートル以上なら、控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下。40平方メートル以上50平方メートル未満なら1,000万円以下(令和8年1月1日以後に住み始めた場合が対象)。標準的な費用の額(補助金等を差し引いた額)が50万円を超えること。床面積の2分の1以上を専ら自己の居住の用に供していること。2以上の住宅を所有している場合は、主として居住の用に供すると認められる住宅であること。工事費用の2分の1以上の額が自己の居住用部分の工事費用であること。
- バリアフリー改修:工事をする人が、50歳以上、要介護・要支援の認定を受けている、所得税法上の障害者である、65歳以上の親族などと同居している、のいずれか。判定は住み始めた年の12月31日の状況によります。
- 省エネ改修:居室の窓の改修を含み、改修部位の省エネ性能がいずれも平成28年基準相当以上になる工事。
- 耐震改修:昭和56年5月31日以前に建築された自宅を、現行の耐震基準に適合させる工事。2以上の住宅を所有している場合は、主として居住の用に供すると認められる住宅であること。Bの部分(5%の控除)を受けるには、自分が所有する家屋で、合計所得金額が2,000万円以下であることも必要です。
- 3年の間隔:前年以前3年内に同じ住宅で同じ種類(バリアフリーまたは省エネ)の控除を受けていると、その年は原則として適用できません。
- 住宅ローン減税との関係:バリアフリーと省エネは、増改築の住宅ローン減税などの要件も満たす場合、いずれか1つを選びます。耐震改修は増改築の住宅ローン減税と両方を受けられますが、耐震工事と併せて行う増築等があって両方を受ける場合は、Aに対する控除額のみとなります。要耐震改修住宅を取得するタイプの住宅ローン減税や、耐久性向上改修の控除とは、いずれか1つの選択適用です。
確定申告書には、住宅耐震改修特別控除額・住宅特定改修特別税額控除額の計算明細書、建築士等が発行した増改築等工事証明書、床面積や建築時期が分かる登記事項証明書などを付けます。バリアフリー改修で、本人または同居の親族が要介護・要支援の認定を受けていることを理由にする場合は、介護保険の被保険者証の写しも必要です。国土交通省は、補助金の交付決定額が分かる書類(交付決定通知など)も申告まで保管するよう案内しています。
WITH SUBSIDY05補助金・介護保険と併せて使うときの差し引き方
国土交通省は「リフォーム促進税制と補助金は併用可能」としています。ただし、補助金をもらった分まで税金を軽くするわけではなく、どの制度も補助金の額を差し引いて計算します。差し引き方は税の種類と工事で少しずつ違います。
| 所得税(3種類とも) | 標準的な費用の額から補助金等の額を差し引いた額で、50万円を超えるかを判定し(バリアフリー・省エネ)、控除額も計算します。国土交通省のよくある質問は、介護保険給付を利用したバリアフリー改修では、所得税でも標準的な工事費用相当額から介護保険給付の額を差し引くとしています |
|---|---|
| 固定資産税・省エネ | 工事費から国または地方公共団体の補助金等を差し引いた額が60万円(税込)を超えること |
| 固定資産税・バリアフリー | 工事費から補助金等と、介護保険の居宅介護住宅改修費・介護予防住宅改修費を差し引いた額が50万円(税込)を超えること(地方税法施行令附則第12条第25項) |
| 固定資産税・耐震 | 地方税法施行令(附則第12条第19項)の要件は「耐震改修に要した費用の額が五十万円を超える」で、補助金を差し引くという文言はありません。一方、国土交通省のよくある質問は、自治体の耐震化の補助金を活用して耐震改修をした例について、実際にかかった費用(固定資産税)から耐震改修に交付された補助金の額を差し引くとしています。補助金を受けたときは、扱いを市区町村に確認してください |
介護保険を使う場合は特に注意が必要です。介護保険の住宅改修(20万円の枠で、支給は最大18万円)を使って手すりや段差の工事をしたとき、固定資産税のバリアフリー改修の減額は、その支給額を差し引いても50万円を超える工事でなければ受けられません。たとえば工事費が70万円で介護保険から18万円が支給されると、差し引き52万円で50万円を超えます。20万円の工事を介護保険だけで行う場合は、この要件に届きません。所得税のバリアフリー改修の控除でも、国土交通省のよくある質問は、標準的な工事費用相当額から介護保険給付の額を差し引くとしています。
省エネの補助金とバリアフリーの減税が重なる場面もあります。国土交通省のよくある質問は、浴槽をまたぎの低いものに取り替える工事(バリアフリー改修)について、省エネ関係の補助金で高断熱浴槽の設置に補助を受けた場合、どちらも工事内容は浴槽の取替えなので、バリアフリー目的の補助金でなくても差し引くと答えています。みらいエコ住宅2026事業のリフォーム補助や住宅省エネ2026キャンペーンの補助を受ける工事と、減税を受ける工事が同じ部位かどうかを確認しておきましょう。
バリアフリー改修の補助金の額が確定申告のときまでに決まっていない場合について、国税庁の質疑応答事例(令和7年8月1日現在の法令・通達等に基づくもの)は、標準的な費用の額から申請した補助金の見込額を差し引いて計算し、あとで確定額が見込額と違った場合は、さかのぼって差し引いた補助金の額を訂正するとしています。国土交通省のよくある質問は、原則、金額が確定してからの記載を推奨し、確定した金額が見込みの金額と異なるときは、修正した書類の再提出や、別途申告手続きが必要となる場合があるとしています。
FAQ06よくある質問
CONTACT07相談先
固定資産税の減額は家屋のある市区町村の固定資産税担当課、所得税の控除は所轄の税務署が窓口です。増改築等工事証明書は、工事をした業者に相談したうえで建築士等に発行を依頼します。国土交通省のリフォーム支援制度の特設サイトでは、要件のチェックや目安の減税額の試算もできます。当サイトは申告の代行や税務相談を行わず、特定の工事業者をおすすめしません。
※本記事は情報提供を目的とするもので、減税の適用を保証するものではありません。内容は2026年10月14日に、国土交通省・国税庁の公式ページと資料、e-Gov法令検索の地方税法・地方税法施行令で確認したものです。個別の適用は税務署・市区町村の判断によります。
出典
- 国土交通省「住宅をリフォームした場合に使える減税制度について」
- 国土交通省「リフォーム促進税制(所得税・固定資産税)について」(事業者向け)
- 国土交通省「よくあるご質問(リフォーム促進税制、住宅ローン減税(増改築)、増改築等工事証明書、住宅耐震改修証明書)」
- 国土交通省「耐震改修に係る固定資産税の減額措置」(PDF)
- 国土交通省「バリアフリー改修に係る固定資産税の減額措置」(PDF)
- 国土交通省「省エネ改修に係る固定資産税の減額措置」(PDF)
- 国土交通省「令和8年度税制改正概要」(令和7年12月・PDF)
- 国税庁 タックスアンサー No.1219「省エネ改修工事をした場合(住宅特定改修特別税額控除)」
- 国税庁 タックスアンサー No.1220「バリアフリー改修工事をした場合(住宅特定改修特別税額控除)」
- 国税庁 タックスアンサー No.1222「耐震改修工事をした場合(住宅耐震改修特別控除)」
- 国税庁 質疑応答事例「高齢者等居住改修工事等(バリアフリー改修工事)の補助金等の額が未確定の場合の住宅特定改修特別税額控除額の計算について」
- e-Gov法令検索「地方税法」(附則第15条の9)
- e-Gov法令検索「地方税法施行令」(附則第12条第19項〜第37項)
- 厚生労働省「介護保険における住宅改修」(PDF)
- e-Gov法令検索「租税特別措置法」(第41条の19の2・第41条の19の3)
確認状況
2026/10/14
編集部
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