店舗の省エネ設備補助金|空調・冷蔵庫・照明の更新
| 従来枠 上限 | 1億円 |
|---|---|
| 補助率(従来枠) | 1/3以内 |
| 4次締切(記事時点) | 10月30日 |
| 補助の対象経費 | 設備費のみ |
| 分類 | 目的別ガイド |
| 最終確認日 | 2026/10/15 |
| 出典 | 12本 |
この記事の要約
業務用エアコン、冷蔵冷凍庫やショーケース、調光制御付きLEDの入れ替えは、SIIの省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)が候補です。4次公募の公募要領で補助率・上限・対象経費・締切と、ほかの補助金との違いを整理しました。
本文
夏に業務用エアコンの効きが落ちてきた、冷蔵ショーケースの電気代が気になる、蛍光灯の照明をまとめて替えたい。店舗のこうした入れ替えで「国の省エネ補助金」として名前が挙がるのが、一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)が執行する省エネ・非化石転換補助金です。2026年10月15日の確認時点で公募していたのは令和7年度補正予算の事業で、公募要領の予算表では「令和7年度補正(令和8年度)」と表記されており、2026年度に執行されている事業です。正式名称は「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」と「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金」の2つです。この記事では、店舗の設備入れ替えで中心になる設備単位型を、4次公募の公募要領(2026年10月)に沿って読み解きます。
SUMMARY01店舗の入れ替えは「設備単位型」の従来枠から見る
4次公募の公募要領では、省エネ・非化石転換補助金を(Ⅰ)工場・事業場型、(Ⅱ)電化・脱炭素燃転型、(Ⅲ)設備単位型/GX設備単位型、(Ⅳ)エネルギー需要最適化型の事業区分で示しています。店舗の業務用エアコンや冷蔵庫・ショーケース、照明を、SIIが公表した『指定設備』へ更新する場合は、このうち(Ⅲ)設備単位型に当たり、基本になるのが(Ⅲ)設備単位型[従来枠]です。
| 確認時点の公募回 | 4次公募(2026年10月15日にSIIの公式サイトで確認)。公募期間は2026年10月5日〜2026年10月30日17:00必着。申請書類は配送状況が確認できる方法での郵送に限られ、持参はできません |
|---|---|
| 補助率 | 1/3以内(従来枠。公募要領の表では中小企業者等と大企業・その他で同じ率)。ただし大企業は、省エネ法の事業者クラス分け評価制度で『Sクラス』または『Aクラス』に該当する事業者か、中長期計画書の『ベンチマーク指標の見込み』に記載された2030年度の見込みがベンチマーク目標値を達成する事業者に限り補助対象です |
| 補助金の上限・下限 | 上限1億円/事業全体、下限30万円/事業全体 |
| 補助の対象になる経費 | 設備費のみ。設計費・工事費・据付費・運搬費・撤去費・配線や配管の材料費・消費税は対象外 |
| 省エネの要件 | 省エネ率10%以上、省エネ量1kl以上、経費当たり省エネ量1kl/千万円以上のいずれか(原油換算) |
| 交付決定と事業期間 | 交付決定は12月下旬の予定。契約・発注は交付決定日以降に行い、導入した設備の検収と補助対象経費の支払いまでを原則2027年1月31日までに完了させる必要があります。申請時の事業完了予定日は厳守で、遅れた場合は補助対象とならない場合があります(4次公募の公募要領で確認) |
EQUIPMENT02店舗で対象になりうる設備
対象は、SIIがあらかじめエネルギー消費効率などの基準を定め、補助対象として公表した「指定設備」です。公募要領の設備区分は15あり、工作機械やプレス機械のような生産設備も並びますが、店舗に関係が深いのは次の4つです。
- 高効率空調──電気式パッケージエアコン(業務用エアコン)やガスヒートポンプエアコンなど。室外機・室内機・リモコン・パネル・全熱交換器が対象範囲です
- 冷凍冷蔵設備──業務用の電気冷蔵庫・電気冷凍庫(インバータを搭載しているもの)、冷凍機内蔵形ショーケース、コンデンシングユニット(冷凍機別置型ショーケースを含む)、冷凍冷蔵ユニット
- 制御機能付きLED照明器具──無線式・有線式・人感や明るさのセンサ付きの調光制御設備。照明器具・リモコン・制御装置・センサーが対象範囲です
- 業務用給湯器──業務用ヒートポンプ給湯器と、潜熱回収型給湯器(ガス・石油)
導入したい機種が指定設備かどうかは、SIIの「『指定設備』の補助対象設備一覧」で型番を探して確かめます。あわせて、補助対象設備には次の条件があります。従来枠はいま使っている設備を、同じ用途の指定設備へ更新する事業で、更新後に性能が下がって省エネにならない場合は認められません。中古品、兼用・将来用・予備の設備も対象外です。
RATE03補助率と上限額は事業区分で変わる
設備単位型には従来枠のほかにも区分があります。どの区分に当たるかは、導入する設備のメーカーや、燃料を電気などに切り替えるかどうかで決まります。公募要領の「補助率及び補助金限度額」の表を、店舗に関係しそうな区分に絞って並べると次のとおりです。
| (Ⅲ)設備単位型[従来枠] | 指定設備へ更新する事業。補助率1/3以内、上限1億円/事業全体 |
|---|---|
| (Ⅲ)GX設備単位型[メーカー強化枠] | 従来枠と同じ設備区分のうち、GX要件を満たしたメーカーが製造する設備へ更新する事業。補助率1/3以内、上限3億円/事業全体 |
| (Ⅲ)GX設備単位型[トップ性能枠] | 第三者委員会が定めた「トップ性能基準」を満たす設備が対象。空調ではクラウド上のAI制御で省エネを図る電気式パッケージエアコンが挙げられています。補助率は更新1/2以内・新設1/5以内、上限3億円/事業全体 |
| (Ⅱ)電化・脱炭素燃転型 | 化石燃料から電気などへの転換を伴う更新。対象設備に業務用ヒートポンプ給湯器が含まれます。補助率は更新・改造1/2以内、新設1/5以内。上限は更新・改造が3億円/事業全体(電化の場合は5億円)、新設が3億円/事業全体。更新・新設では工事費は中小企業者等に限り対象 |
| (Ⅳ)エネルギー需要最適化型 | SIIに登録されたエネルギーマネジメントシステム(EMS)を使う事業。補助率は中小企業者等1/2以内、大企業等1/3以内、上限1億円/事業全体。(Ⅲ)や(Ⅱ)と組み合わせて申請する区分で、(Ⅳ)を単独で実施する事業は工場・事業場型で申請します。組み合わせる場合は、各事業区分の上限額の合計が事業全体の上限額です |
どの区分も下限は補助金額で30万円/事業全体です。従来枠とメーカー強化枠は対象設備が共通で、同じ補助事業ポータルから申請を受け付けますが、同じ事業に重複して交付決定を受けることはできません。なお、事業所全体の省エネに取り組む工場・事業場型は、一般枠で「省エネ率+非化石割合増加率10%以上」などを求め、下限額も100万円と大きな事業を想定した区分です。
ここでいう中小企業者等には、中小企業基本法に準じた中小企業者のほか個人事業主も含まれます。小売業は資本金5千万円以下か従業員50人以下、サービス業は資本金5千万円以下か従業員100人以下のどちらかを満たせば中小企業者です(みなし大企業を除く)。従業員数にはアルバイト・パートも含まれます。大企業は、省エネ法の事業者クラス分け評価制度で『Sクラス』(原則、公募締切時点で令和7年度報告(令和6年度実績)によるクラス分けの結果として資源エネルギー庁ホームページで公表されていることが確認できる事業者)または『Aクラス』に該当する場合か、ベンチマーク目標値を達成する見込みの場合に限り補助対象事業者になります。業種の類型は、公募要領が参照先として示す中小企業庁の『日本標準産業分類第14回改定に伴う中小企業の範囲の取扱いについて』で確認してください。
REQUIREMENTS04申請の条件と準備するもの
- 省エネ効果を数字で示す──原油換算で、省エネ率10%以上・省エネ量1kl以上・経費当たり省エネ量1kl/千万円以上のいずれかを満たします。業務用エアコンや冷蔵庫・ショーケース、LED照明などは、補助事業ポータルに稼働時間などを入力すると省エネ量が自動計算される「指定計算」が用意されています
- 3者以上の見積り──異なる販売事業者3者に見積りを依頼し、最低価格が補助対象経費の上限になります。見積書は1次公募の公募要領の公開日(2026年3月25日)以降に発行されたものが必要です
- 個人事業主は青色申告者──確定申告書と所得税青色申告決算書の写しを提出します(e-Taxなら受信通知)
- 債務超過でないこと──設備の所有者が直近の年度決算で債務超過の場合は対象外です
- 中長期計画の提出──省エネ法の定期報告義務がない事業者は、エネルギーの合理化に関する中長期計画をSII指定のフォーマットで策定して提出します
- 申請は事業所単位──省エネ法の定期報告書を出していない事業者は、電気・ガス・油などのエネルギー契約を行う事業所の単位で申請します
- 導入後の報告──導入した設備の最低1週間以上のエネルギー使用量の実測データなどを使って、省エネ効果を成果報告します。成果報告時の省エネルギー量等の実績が交付決定時の計画値に対して未達の場合や、データを取得していなかった場合は、支払い済みの補助金が返還となる場合があります
相見積もりの取り方や、見積書の中で補助の対象外になりやすい項目は補助金の相見積もりと対象外経費で詳しく整理しています。
SCHEDULE05公募時期:令和7年度補正予算分の1次〜4次公募
設備単位型の令和7年度補正予算分は、2026年3月30日に始まった1次公募から、締切を区切って公募が行われてきました。SIIの公募情報ページで各回の期間を確認しました(2026年10月15日時点)。
| 1次公募 | 2026年3月30日〜4月27日(受付終了) |
|---|---|
| 2次公募 | 6月1日〜7月9日(受付終了) |
| 3次公募 | 8月20日〜9月28日(受付終了) |
| 4次公募 | 2026年10月5日〜2026年10月30日17:00必着(2026年10月15日の確認時点で受付中) |
| 4次公募のあと | 交付決定は12月下旬の予定(4次公募の公募情報ページと公募要領の記載)。補助金の支払いは2027年1月末〜3月末の予定で、いったん全額を自社で支払った後に精算されます |
4次公募の予算は、従来枠(エネルギー需要最適化型との組み合わせを含む)で2026年度分が約52億円です。審査は事業区分ごとの評価項目に沿って行われ、外部審査委員会の評価を踏まえて上位から予算の範囲内で採択されます。交付申請額の合計が予算を超えた場合は、不採択になることがあります。3次公募の採択結果により、4次公募の予算が変動する場合があります。4次公募のあとに5次公募があるかどうかは、2026年10月15日時点の公式サイトでは確認できませんでした。
COMPARE06ほかの設備投資の補助金との違い
店舗の設備投資に使える国の制度はほかにもあります。違いは「何を目的にした制度か」と「何で審査されるか」です。省エネ補助金は、エネルギー使用量が原油換算でどれだけ減るかが入口になります。
| 省エネ・非化石転換補助金(この記事) | 目的は省エネ。SIIの指定設備への更新で、省エネ効果の要件を満たすことが条件。従来枠の補助対象は設備費のみ |
|---|---|
| 中小企業省力化投資補助金 | 目的は人手不足の解消。カタログ注文型は登録製品から選びます。詳しくは省力化投資補助金の解説へ |
| 小規模事業者持続化補助金 | 販路開拓の取り組みの中で機械装置等費が対象になる制度。詳しくは持続化補助金の解説へ |
| 業務改善助成金 | 事業場内の最低賃金の引き上げとセットで設備投資を助成する制度。詳しくは業務改善助成金の解説へ |
業種ごとにどの制度から当たるかは、飲食店の設備投資に使える補助金と小売店の設備投資に使える補助金でまとめています。
併用には注意が必要です。公募要領は、補助対象経費が重複する場合は他の補助金等と併用できないとしています。例外は、地方公共団体の一般財源(地方税や地方交付税交付金など使途が特定されていない財源)で行う補助金等で、SIIのよくある質問では物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を財源とした地方公共団体等の補助金も併用可能な補助金等に挙げられています。税制では、中小企業経営強化税制との併用が可能と明記されています。また、この補助金は圧縮記帳等の適用を受ける国庫補助金等に該当する旨の回答を国税庁から得ているとSIIが案内しています。税務の扱いは補助金の税金と圧縮記帳を参考にしてください。
TRAP07申請前に知っておきたい落とし穴
- 交付決定の前に発注しない──契約・発注は交付決定日以降です。交付決定より前の経費は全て補助対象外になります(3者見積りの依頼だけは交付決定前でも有効)
- 工事費は出ない──従来枠とメーカー強化枠は設備費だけが対象で、据付・配線・配管・撤去の費用は自己負担です。「上限1億円」は工事込みの総額に対する補助ではありません
- 型番が一覧に無ければ対象外──同じメーカーの業務用エアコンでも、指定設備として公表された型番でなければ補助されません
- 既存設備は撤去する──原則として、事業完了日までに既存設備を撤去します
- 耐用年数の間は自由に処分できない──処分制限期間(法定耐用年数の期間)内に売却や廃棄をするときはSIIの承認が必要で、補助金の返還が発生する場合があります
採択されてから入金までの流れや、補助金が後払いになることによる資金繰りの考え方は採択後の流れで解説しています。
FAQ08よくある質問
CONTACT09問い合わせ先
設備単位型(従来枠・GX設備単位型)の問い合わせ先は、SIIのナビダイヤル0570-01-5116(IP電話からは042-303-0855)で、受付は平日10:00〜12:00、13:00〜17:00です。指定設備に当たるかどうかや見積りの取り方は、設備の販売事業者とも早めに相談してください。ほかの制度も含めた日程は補助金カレンダーで追いかけています。当サイトは申請代行を行わず、特定の業者・製品をおすすめしません。
※本記事は情報提供を目的とするもので、補助金の交付を保証するものではありません。内容は2026年10月15日に、SIIの令和7年度補正予算 省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)の公募要領<4次公募用>(2026年10月)、1次〜4次公募の公募情報ページ、新着情報、よくあるご質問、事業トップページ、工場・事業場型の公募要領<4次公募用>、令和8年度 省エネルギー設備投資利子補給金のページで確認したものです。公募要領は公募回ごとに改訂されるため、申請前に最新版を確認してください。
出典
- 令和7年度補正予算 省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)公募要領<4次公募用>(2026年10月)
- 同・公募情報(4次公募)(環境共創イニシアチブ)
- 設備単位型 3次公募の公募情報ページ(公募期間)
- 設備単位型 1次公募の公募情報ページ(公募期間)
- 設備単位型 2次公募の公募情報ページ(公募期間)
- 同・事業トップ(環境共創イニシアチブ)
- 同・よくあるご質問(補助金事業全般、提出書類について)<4次公募>
- 同・よくあるご質問(本補助金と併用可能な補助金等)
- 同・『指定設備』の補助対象設備一覧
- 令和7年度補正予算 省エネ・非化石転換補助金(工場・事業場型)公募要領<4次公募用>
- 設備単位型 新着情報(各公募回の開始・終了の告知) ─ https://sii.or.jp/setsubi07r/newsrelease.html
- 令和8年度 省エネルギー設備投資利子補給金(新規融資の公募は実施せず) ─ https://sii.or.jp/rishihokyu08/
確認状況
2026/10/15
編集部
制度・数字は改正等で変わります。最新の内容はリンク先の公式ページでご確認ください。


