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補助金の相見積もりと対象外経費|よくある失敗

申請の基本一次情報 9本
公開 2026/10/14最終確認 2026/10/14執筆 編集部
持続化 相見積もり(第20回)50万円超(税込)
省力化(第8回)50万円(税抜き)以上
持続化(第19回)100万円超(税込)
発注・契約・支払い交付決定の後
分類申請の基本・用語
最終確認日2026/10/14
出典9本

この記事の要約

持続化補助金と省力化投資補助金(一般型)の公募要領から、相見積もりが要る金額の線、同一条件・最低価格・理由書のルール、対象外になりやすい経費(交付決定前の発注、汎用品、親族への発注、現金払い)を公募要領の言葉で整理。

本文

補助金は採択されても、見積もり・発注・支払いの手順が公募要領のルールに合っていないと、その経費が補助の対象外になることがあります。公募要領には、相見積もりが必要になる金額の線、選んでいい業者・いけない業者、補助の対象にならない経費が細かく書かれていますが、制度ごと・公募回ごとに少しずつ違います。この記事では、2026年10月14日時点で公開されている小規模事業者持続化補助金(一般型 通常枠・第20回)と中小企業省力化投資補助金(一般型・第8回)の公募要領と、採択者向けに公開済みの手引き(持続化は第19回、省力化は第6回。2026年10月14日時点で第20回・第8回向けは未公開)を読み、よくある失敗を公募要領の言葉で整理します。

相見積もりが必要になる金額の線は、公募回で変わることがあります。持続化補助金は、第19回の公募要領では「発注総額が100万円超(税込)」でしたが、第20回の公募要領(第8版)では「発注総額(1件あたり)が50万円超(税込)」です。また、2026年10月14日時点で公開されている補助事業の手引きは第19回向けで、相見積もりの線を「発注総額が税込100万円を超える取引」と書いています。第20回で申請する場合は、第20回の公募要領と、第20回向けの手引きが公開されたらそちらで確認してください。第20回の申請受付開始は2026年11月5日の予定で、公募要領は「予定は変更する場合があります」としています。前の回の情報や、知人の経験談で判断せず、自分が申請する回の公募要領で確認してください。

THRESHOLD01相見積もりが必要になる金額の線

持続化補助金(第20回)発注総額(1件あたり)が50万円超(税込)のものは、2者以上から見積を取り、より安価な発注先(委託先)を選ぶ。中古品は金額に関わらず、すべて2者以上の見積が必須
持続化補助金(第19回・参考)発注総額が100万円超(税込)のものは2者以上から見積を取る
省力化投資補助金(一般型・第8回)契約先または発注先1件あたりの見積額の合計が50万円(税抜き)以上のものは、同一条件による相見積もりを取ることが原則。最低価格を提示した者を選ぶ。50万円未満は1者の見積書を取る

同じ「50万円」でも、持続化補助金は税込で50万円を超えたら、省力化投資補助金は税抜きで50万円以上なら相見積もりの対象です。たとえば税抜46万円の機械(税込50万6,000円)は、持続化補助金では2者以上の見積が要りますが、省力化投資補助金では1者の見積書でよいことになります。どちらの制度で申請するかで、準備する見積書の数が変わります。

なお、見積書そのものは相見積もりの対象かどうかに関係なく必要です。省力化投資補助金の交付申請の手引き(第6回公募)は「全ての経費において見積書の取得が必要です」としています。持続化補助金の補助事業の手引き(第19回)も、見積書は「すべての取引において必要」とし、インターネットで購入する場合も、商品名や金額がわかる画面のコピー等を見積書として出すよう求めています。

MISTAKES02相見積もりでよくある失敗

  • 業者に「相見積もりも用意して」と頼む:持続化補助金の第20回公募要領は、相見積もりは補助事業者自身が別々の企業から取得するよう求めています。省力化投資補助金の交付申請の手引き(第6回)も、見積依頼書は補助金交付候補者(申請した事業者)から発注先へ宛てて作るよう求めています。
  • 口頭で見積もりを頼み、条件がそろっていない:省力化投資補助金の交付申請の手引き(第6回)は、見積もりの依頼を口頭で行わず、見積依頼書を作るよう求め、相見積もりは「同一条件で2者以上に依頼」すること、見積書に見積依頼書の仕様等が反映されていることを確認ポイントに挙げています。
  • 「一式」の見積書:省力化投資補助金では「システム開発一式」のような見積は認められず、交付申請の手引き(第6回)でも「一式表記は認められません」としています。持続化補助金も、見積金額に複数の項目が含まれる場合は内訳を示すこととし、「諸経費」など内訳が不明な経費は対象外です。
  • 値引きをまとめて差し引く:省力化投資補助金の交付申請の手引き(第6回)は、値引きがそれぞれの項目に按分されていることを求め、「一括値引きは認められません」としています。
  • 見積書の有効期限が切れる:省力化投資補助金では、交付申請日時点で有効な見積書であることが必要で、交付申請の手引き(第6回)は発注時点でも見積書が有効であることを求め、再取得が要らないような有効期限の設定を勧めています。
  • 高いほうの業者を選ぶ:持続化補助金は「より安価な発注先(委託先)を選んでください」、省力化投資補助金は最低価格を提示した者を選び、選ばない場合は理由書と価格の妥当性を示す書類が必要です。
  • 関係のある会社から見積もりを取る:省力化投資補助金の交付申請の手引き(第6回)は、同一代表者・役員が含まれる事業者、資本関係のある事業者、業務上密接な関係を有するコンサルタントや親族・従業員など特別な利害関係を有する者からの見積書や、実態のない事業者の見積書は認めないとしています。持続化補助金も、社内の役員・従業員や代表者・役員の親族(3親等以内)への発注は対象外です。

見積書の宛名にも注意が要ります。持続化補助金の補助事業の手引き(第19回)は、宛先、取引先、購入物(サービス)名、数量、金額、日付の記載が確認できる見積書を求めています。省力化投資補助金の交付申請の手引き(第6回)は、補助金交付候補者宛であること、税抜き・税込み価格が明確であること、発行元の事業者名・住所・連絡先が記載されていることを確認ポイントに挙げています。

REASON03「理由書」で相見積もりを省けるか

どちらの制度も、発注内容の性質上2者以上から見積を取るのが難しい場合は、理由書を出して特定の業者と随意契約できるとしています。ただし、認められる理由はかなり狭く書かれています。

省力化投資補助金の交付申請の手引き(第6回公募)は、合理的な理由を「知的財産権や独占販売権などにより販売元が限られているようなことが客観的に分かる理由」とし、認められない例として次のものを挙げています。

  • オーダーメイド設備のため(単にオーダーメイドというだけでなく、なぜその発注先なのかの説明が要る)
  • かねてより当該企業と付き合いがある
  • アフターフォローが充実している
  • 機密情報の漏洩リスクがあるため、相見積書の取得ができない
  • 商業習慣である/社内規定で決まっている
  • フランチャイズ契約先からの指定である
  • 近隣に契約先(発注先)が見つからない

さらに同じ手引き(第6回)は、2者以上に見積依頼を行うことを求め、「見積依頼をせずに随意契約とすることは認められません」と念を押しています。持続化補助金では、中古品は理由書を出しても随意契約での購入は認められず、1者だけの見積で中古品を買うと補助対象外になります。

TIMING04見積もり・発注・支払いの順番

  • 持続化補助金:採択発表後、交付決定までに、価格の妥当性を証明できる見積書等(相見積含む)を提出します。交付決定前に発注・契約、購入、支払い(前払い含む)をしたものは対象外です(展示会等への出展の申込みだけは交付決定前でも対象になり得ますが、請求書の発行が交付決定日以後である必要があります)。
  • 省力化投資補助金(一般型):相見積もりは採択後の交付申請で提出します。ただし第8回公募要領は、応募の時点で「導入予定の機械装置等・システム(50万円以上)の仕様・積算根拠が分かる書類(参考見積書、当該製品のカタログ、提案書、仕様書等)」の提出を求め、「書類の取得にあたっては事前着手に抵触することのないようご注意ください」としています。「交付決定前に発生した経費」は対象外で、公募要領は「いかなる理由であっても事前着手は認められません」としています。一方で、申請の準備段階で複数者から見積書を取っておくと、採択後に円滑に事業を始められるとも書いています。

つまり、見積もりは早めに複数取っておき、発注・契約・支払いは交付決定の後、という順番です。採択後の手続きの全体像は補助金は採択後が本番で解説しています。

EXCLUDED A05対象外になりやすい経費──持続化補助金

持続化補助金の公募要領(第20回・第8版)が「補助対象外となる経費」として挙げるもののうち、申請の現場で取り違えやすいものを抜き出します。

  • 通常の事業活動に係る経費:販売している商品の仕入、老朽化した既存機械の取替え費用、応接室のソファや従業員が使う事務机の購入費用
  • 自動車等車両:自動車、フォークリフト、キッチンカー、除雪車、キッチントレーラーなど
  • 消耗品:名刺、文房具、インクカートリッジ、用紙、USBメモリ・SDカード、段ボール、梱包材など
  • 取引相手の問題:自社内部やフランチャイズチェーン本部との取引、親族(3親等以内)への発注、新品・中古品を問わず(開業していない)個人からの購入やオークションでの購入
  • 支払い方の問題:1取引10万円(税抜き)を超える現金支払、小切手・手形・相殺による決済、補助事業期間内に引き落としが終わっていない分割払い・クレジットカード払い
  • 中身がはっきりしない経費:「諸経費」など内訳が不明な経費、必要な経理書類(見積書・請求書・領収書等)を用意できないもの
  • 手続きの代行費用:補助金の応募書類・実績報告書等の作成・送付・手続きに係る費用
  • 実質的な値引き:購入額の一部を口座振込や現金、ポイント等で払い戻して実質的に購入額を減らすもの(キャッシュバックを含む)

もう一つ見落としやすいのが、買っただけで使っていない経費です。公募要領は、機械装置等を購入しても補助事業の終了までにそれを使って計画した取組をしていない場合や、広告を契約・支払いしても期間内に掲載されなかった場合は、その経費は対象外になると例を挙げています。持続化補助金の全体像は持続化補助金の解説にまとめています。

EXCLUDED B06対象外になりやすい経費──省力化投資補助金(一般型)

  • 交付決定前に発生した経費
  • 汎用性があり、目的外使用になり得るもの:公募要領の例は、事務用のパソコン・プリンタ・文書作成ソフトウェア・スマートフォン・タブレット端末・カメラ・キュービクル・乗用エレベータ・家具(本事業でのみ使用が可能なものを除く)
  • 中古品購入費
  • 建物や土台の費用:不動産の取得費用、ビニールハウス・コンテナ等の簡易建物、設置場所の整備工事や基礎工事
  • 発電設備:再生エネルギーの発電を行うための発電設備と、その設備と一体不可分の附属設備(太陽光発電を行うためのソーラーパネルなど)
  • 自動車等車両:ただし減価償却資産の耐用年数省令で「機械及び装置」に該当するものは対象
  • 自社の人件費・既存システムの改修:自社の人件費・旅費、既存システムやソフトウェアのバージョンアップ・改修費用(新たに導入するシステムと連携するための改修は対象)
  • 関係者への支払い:同一代表者・役員がいる事業者、資本関係がある事業者、特別な利害関係を有する者への支払い、同一企業の部署間の支払い(社内発注・社内製造を含む)
  • 支払い方:支払いは銀行振込の実績で確認し、現金払や手形払等で実績を確認できないものは対象外。代行振込は一切不可
  • 消費税等:補助金交付申請額の算定では補助対象経費から除外

また、「機械装置・システム構築費」以外の経費は、総額で500万円(税抜き)までを補助上限額とする、と定められています。カタログから製品を選ぶ方式との違いは省力化投資補助金(カタログ注文型)の解説を参照してください。

両制度とも、計上した経費の大半が補助対象外の場合について定めています。持続化補助金の第20回公募要領は「不採択・採択取消になります」としています。省力化投資補助金の第8回公募要領は、応募申請時点で大半が対象外なら「不採択になる可能性があります」としたうえで、「事業計画書に記載された経費の大半が補助対象外経費である事業」を補助対象外となる事業に挙げ、該当した場合は「不採択、採択決定の取消又は交付決定の取消を行います」としています。申請前に、計上する経費を1つずつ公募要領の対象外リストと突き合わせておくと安全です。

COMPARE072つの制度で扱いが違うところ

相見積もりの金額の線持続化:発注総額(1件あたり)50万円超(税込)/省力化(一般型):1件あたり50万円(税抜き)以上
中古品持続化:購入単価50万円(税抜き)未満で、2者以上の中古品販売事業者から見積を取るなどの条件を満たせば対象/省力化(一般型):対象外
現金払い持続化:1取引10万円(税抜き)超の現金支払は不可/省力化(一般型):銀行振込の実績で確認し、現金払等で実績を確認できないものは対象外
最低価格以外を選ぶとき持続化:公募要領は「より安価な発注先(委託先)を選んでください」と記載/省力化(一般型):選定理由書と価格の妥当性を示す書類が必要

中古品は、持続化補助金では条件付きで対象になる一方、省力化投資補助金(一般型)では対象外です。

FAQ08よくある質問

Q. 相見積もりは申請の前に必要ですか?
A. 相見積もりの提出は採択後です。持続化補助金は採択発表後から交付決定までに見積書等(相見積含む)を提出し、省力化投資補助金(一般型)は採択後の交付申請で提出します。ただし省力化投資補助金(一般型)の第8回公募要領は、応募の時点で「導入予定の機械装置等・システム(50万円以上)の仕様・積算根拠が分かる書類(参考見積書、当該製品のカタログ、提案書、仕様書等)」の提出を求めています。また、申請の準備段階で複数者から見積書を取っておくと採択後に円滑に始められるとしています。
Q. 発注予定の業者に、比較用のもう1社分の見積もりも頼んでいいですか?
A. 避けてください。持続化補助金の第20回公募要領は、相見積もりを補助事業者自身が別々の企業から取得するよう求めています。省力化投資補助金の交付申請の手引き(第6回)も、申請した事業者から発注先へ宛てた見積依頼書を作るよう求めています。
Q. ネットで買う物にも見積書が要りますか?
A. 要ります。持続化補助金の補助事業の手引き(第19回)は、インターネットで購入した場合も、商品名・金額・写真等がわかる画面のコピー等を見積書として提出するよう求めています。
Q. 安いほうではなく、アフターサービスがよい業者を選びたいのですが?
A. 省力化投資補助金では、最低価格を提示した者を選ばない場合、選定理由書と価格の妥当性を示す書類が必要です。ただし交付申請の手引き(第6回)は「アフターフォローが充実している」を合理的な理由として認められない例に挙げています。持続化補助金は、より安価な発注先を選ぶことを求めています。
Q. 前の回の公募要領で準備していましたが、問題ありますか?
A. 確認が必要です。たとえば持続化補助金の相見積もりの線は、第19回の「100万円超(税込)」から第20回で「50万円超(税込)」に変わりました。申請する回の公募要領と、採択後に案内される手引きで確認してください。

CONTACT09問い合わせ先

持続化補助金は、商工会議所地区は事務局(公募要領に記載の03-6634-9307、受付9:00〜12:00・13:00〜17:00、土日祝日・年末年始除く)、商工会地区は地域の商工会が窓口です。省力化投資補助金は、中小企業省力化投資補助金事務局コールセンター(ナビダイヤル0570-099-660、受付9:30〜17:30、土日祝除く)です。制度ごとの日程は補助金カレンダーで追いかけています。当サイトは申請代行を行わず、特定の業者・製品をおすすめしません。高額な成功報酬などで申請を持ちかける業者への注意点は補助金の悪質代行に注意で解説しています。

※本記事は情報提供を目的とするもので、補助金の交付を保証するものではありません。内容は2026年10月14日に、各事務局が公開している公募要領・手引きで確認したものです。相見積もりの基準や対象外経費は公募回ごとに変わることがあるため、申請する回の公募要領で確認してください。

出典

確認状況

最終確認日

2026/10/14

執筆

編集部

注意

制度・数字は改正等で変わります。最新の内容はリンク先の公式ページでご確認ください。

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