飲食店開業の資金調達まとめ|補助金・融資の組み立て方
| 公庫融資 限度額 | 7,200万円 |
|---|---|
| 返済(設備資金) | 20年以内 |
| 対象(事業開始後) | おおむね7年以内 |
| 持続化 創業型 | 創業後3年以内 |
| 分類 | 飲食店の補助金 |
| 所管 | 日本公庫 |
| 最終確認日 | 2026/07/19 |
| 出典 | 3本 |
この記事の要約
飲食店の開業資金は「自己資金+融資」が土台で、補助金は上乗せが現実的。日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金(限度額7,200万円)、創業後に使える持続化補助金創業型、資金計画の組み立て方を解説。
本文
飲食店の開業を考え始めると、まず「補助金で開業資金を集められないか」と検索したくなります。最初にお伝えしたいのは、補助金は開業資金の主役になれないという現実です。補助金は後払い・審査採択式で、交付決定前の支出は原則対象外。物件取得や内装工事の支払いには間に合いません。開業資金の主役は自己資金と融資、補助金は開業後の追い風──この順番で組み立てるのが定石です。この記事では2026年7月19日時点の公式情報をもとに、開業資金の現実的な組み立て方を整理します。
STRUCTURE01全体像──「融資が主役、補助金は上乗せ」の理由
- 補助金は後払い──採択→交付決定→事業実施→実績報告→入金という工程で、手元にお金が入るのは最後です。
- 交付決定前の支出はNG──開業前に払う内装費・厨房設備費に、後から補助金を充てることは原則できません。
- 審査・採択式──もらえる前提の資金計画は、外れた瞬間に破綻します。
だからこそ、開業時点の資金計画は自己資金+融資だけで成立させ、補助金は「開業後の販路開拓や設備更新を加速するもの」と位置づけるのが安全です。やってはいけないことの詳細は補助金と助成金の違いの記事にまとめています。
JFC LOAN02開業融資の本命──日本政策金融公庫
創業期の融資でまず名前が挙がるのが、日本政策金融公庫(国民生活事業)の新規開業・スタートアップ支援資金です。2025年3月に「新規開業資金」から名称が変わりました(公式発表で確認済み)。公式ページの概要は次のとおりです。
| 利用できる人 | 新たに事業を始める方、または事業開始後おおむね7年以内の方(適正な事業計画の策定と遂行能力が前提。創業計画書の提出等で内容確認) |
|---|---|
| 使いみち | 事業開始のため、または開始後に必要な設備資金・運転資金 |
| 融資限度額 | 7,200万円 |
| 返済期間 | 設備資金 20年以内/運転資金 10年以内(いずれも据置期間5年以内) |
| 担保・保証人 | 希望を聞きながら相談(公式ページの表記) |
金利面では、女性・35歳未満・55歳以上の方や、市区町村の創業支援(認定特定創業支援等事業。創業塾・創業セミナー等)を受けて証明書を取得した方などに特別利率の区分があります。開業前に自治体の創業塾を受けておくと利率面で有利になりうるのは、意外と知られていないポイントです。廃業歴があり再チャレンジする方は、前事業の債務返済資金も使いみちに含められ、運転資金の返済期間が15年以内に延びる扱いも明記されています。
なお、審査の結果、希望に沿えない場合があることも公式ページに明記されています。創業計画書の完成度──「なぜこの立地・この業態で、いくら売れるのか」の根拠──が勝負どころです。
SUBSIDY03開業期に「使える補助金」と「使えない補助金」
使える候補の代表が、持続化補助金の創業型です。創業後3年以内の小規模事業者を対象にした類型で、2026年は第4回公募の受付が11月5日に始まります(公式まとめサイトで確認・2026-07-19時点)。つまり「開業してから、販路開拓の費用に使う」制度であり、開業準備の資金にはなりません。制度の基本は持続化補助金の解説記事へ。
一方、多くの補助金は事業実績や決算を前提にした審査項目があり、開業前・開業直後には使いにくいのが実情です。POSレジや予約システムの導入に使えるデジタル化・AI導入補助金も、導入・支払いは交付決定後というルールなので、開店日に間に合わせたい設備は自費で入れる前提で考えましょう。
LOCAL04自治体の開業支援も探す
国の制度のほかに、自治体が独自の開業支援(家賃補助・改装費補助・創業支援金など)を設けている場合があります。お店を出す市区町村のサイトと、国の中小企業向けポータル「ミラサポplus」で「創業」「開業」を検索してみてください。前述の認定特定創業支援等事業(創業塾など)は、公庫の特別利率につながるだけでなく、自治体によっては独自支援の要件になっていることもあります。
PLANNING05資金計画の考え方──4ステップ
- 総額を見積もる──物件取得費(保証金・礼金)、内装・厨房設備、開業後数か月分の運転資金まで含めて洗い出す。開業直後から満席になる前提を置かない。
- 自己資金と借入の割合を決める──自己資金の額と貯め方は、創業計画の本気度を示す材料としても見られます。
- 融資は創業計画書で勝負──現状(経験・技術)→ 立地と客層の根拠 → 売上予測の計算式 → 返済計画、を一本の線でつなげる。
- 補助金は「もらえたら加速」の位置づけ──開業後の販路開拓(創業型など)の原資として計画に組み込み、もらえる前提の穴埋めには使わない。
AFTER OPENING06開業後に効いてくる制度
開業して実績がつき始めると、使える制度は一気に増えます。販路開拓は持続化補助金、POS・予約・会計のIT化はデジタル化・AI導入補助金、食洗機などの省力化設備は省力化投資補助金、スタッフを雇ったら業務改善助成金やキャリアアップ助成金が候補です。全体像は飲食店向け完全ガイドと補助金カレンダーで確認してください。
FAQ07よくある質問
EXPERTS08相談先
融資は日本政策金融公庫の支店・創業サポートデスク、計画づくりは商工会議所・商工会・よろず支援拠点・中小企業診断士、開業後の税務・会計は税理士が相談先です。当サイトは申請代行を行いません。
※本記事は情報提供を目的とするもので、融資・採択を保証するものではありません。
出典
- 日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」
- 日本公庫スタートアップ支援ポータル(名称変更のお知らせ・2025年3月)
- 小規模事業者持続化補助金 公式まとめサイト(創業型の公募状況)
- 日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」(限度額7,200万円・返済期間・特別利率・注記) ─ https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/01_sinkikaigyou_m.html
- 日本公庫スタートアップ支援ポータル「『新規開業・スタートアップ支援資金』に関するお知らせ」(2025年3月の名称変更) ─ https://www.jfc.go.jp/n/finance/startuppop/news/topics250303.html
- 小規模事業者持続化補助金 公式まとめサイト(創業型第4回・受付開始11月5日) ─ https://matome.jizokukahojokin.info/
確認状況
2026/07/19
編集部
制度・数字は改正等で変わります。最新の内容はリンク先の公式ページでご確認ください。


